ひさしぶりの更新。最近は仕事が忙しすぎて、少しばかり調子が狂っています。今年はまっとうな人間になろうと思っていたのですが、どうもなかなか、そううまくはいかず、やるべき多くのものごとが手つかずのままに置き去りになっています。分刻みでやらなければならないと急きたてられることは、実はやる必要のないことだったりします。幾つか、すぐにでも連絡を入れたいひとびとがいるにもかかわらず、心の状態がこんなでは、どうにも言葉のでてきようがありません。とにかく、きょうはひさしぶりにブログを更新してみましょう。ここに言葉を書くというのは、いつだって、どこかで有機交流電燈をぺかぺかと光らせる、見えないけれど確かな確信を与えてくれます。
いまは鹿児島に居るのです。一昨日の夜、仕事が終わったあとに、羽田空港に行きました。既に11時を過ぎており、空港内にはひとの気配がほとんどありません。忙しくてまともに食事をしていなかったので、今晩は豪勢にコンビニ弁当だぜ! などと思っていたのですが、空港内のお店はコンビニも含めすべて閉まっています。しかたがないので自販機で焼きおにぎりを買いました。自販機はレンジで温めるということまでしてくれます。残り時間が120秒、119秒、118秒と減っていきます。薄暗くなった発着場の隅でそのカウントダウンを眺めつつ、何だか奇妙な世界だなあ、とぼんやり感じていました。
早朝の飛行機に乗り、出発し、到着します。到着間際、前の座席の背もたれだけを見つめ、身体の感覚に集中し、自分がいまどのあたりに位置しているのかを感じとろうとします。加速や減速によるGのかかり具合、機体の傾きなどはもちろん分かります。けれども、高度はまったく見当もつきません。登山でもなく、与圧された環境下だから難しくて当然なのかもしれませんが、そもそも人間は急激な高度の変化を感知する必要があるような生物ではないんだよね、とも思いました。急に激しく機体が揺れたあと、だいぶ安定します。さてそろそろ着陸するかしら、などと思っていたら、すでに着陸したあとでした。さすがに、自分の鈍さに目を丸くしつつ、のたのたと飛行機から降りました。
昨日は霧島に行きました。軽石が落ちていたり、硫黄の塊(?)が落ちていたり。とにかく手に取って、しげしげと眺めます。岩の上に這いつくばり、小さな窪みにできた氷を撮ったりします。一緒にいる友人たち以外には、ひとっこひとり見当たりません。先に降りていてと声をかけ、少しだけ残ります。ふと目を引いた小さな小石を、呼吸を深く長く、さらに深く長くしながら、マクロで撮ります。ぺかぺかぺかぺか、何かがどこかで青く光ります。
宿に戻ってからその写真を観れば、やっぱりただの小石が写っているだけです。けれども、それはやっぱり、ただの小石ではないのです。