土曜日に親知らずを抜き、だんだん頬が腫れてくるなか、西荻窪の本屋ロカンタンさんに行ってきました。月曜社さんの本を幾冊か取り寄せをお願いしていたのが届いたのと、あとは『スヌープ・ドッグのお料理教室』(スヌープ・ドッグ、KANA訳、晶文社、2022)ほか購入したい本があったため。ぼくの料理スキルはこれでさらに躍進する予定です。
本屋ロカンタンさんは前にも書きましたが選書のセンスが非常に良く、ぼく自身の興味関心と重なるところも多いので、いまは本を買うときはだいたいここが中心になっています。西荻窪は(ますます外に出るのが怖くなっているぼくにとっては)遠いですが、行くと楽しいですね。
ロカンタンさんの外観はこんな感じ。すごく広くはありませんが、その分良い本がぎゅっと詰まって美しく並んでいます。
ただでさえコミュニケーション能力に不安のあるぼくですが、きょうは珍しく店主の(映画批評家でもある)萩野さんにお願いをして、自著を撮らせていただきました。とても好きな書店に自分の本が置かれることなど、もうぼくの人生においてはないと思った方が良いでしょう。ですので死ぬる思いで「写真を撮っても良いでしょうか?」などと話しかけたりもするのです。顎の痛みが激しくなっており、自分でも何をしゃべっているのかもはや判然とせず、意識も朦朧としています。しかし萩野さんは気持ちよく対応してくださり、わざわざぼくの本を表紙が見えるように置いてくださいます。ありがたや。
そんなこんなで本の買い出し紀行から戻ってきて、買おうと思っていた本を二冊買い忘れていたことに気づきました。がっくり。まあ、また買いに行けばよいでしょう。ロカンタンさん、とても良い本屋さんなので、西荻窪近辺に行かれることがあればぜひ覗いてみてください。西荻窪はその他にもたくさん良いお店がありますのでお勧めです。
本を抱えて帰ってきて、家にたどり着くころには顎の痛みですっかりばったり倒れ屋さん(チェブラーシカ)です。一緒に西荻窪へ行った彼女はしかし元気に庭に出て、片隅からジャガイモを掘り出してきました。痩せた土地なのでこの大きさが精いっぱいのようですが、小さな仲間たちからすれば何食分にもなる巨大ジャガイモ。
夕方、固いモノが食べられないぼくに彼女が寒天ゼリーを作ってくれました。ありがたや。いやもちろん、ぼくだって作ってもらってばかりではありません。彼女のお弁当はぼくが作りますし、しかもきょうはロカンタンさんでスヌープ・ドッグのお料理教室を買ったのでお弁当スキルもさらにグレードアップです。とにもかくにも寒天はおいしかった。
そう、あとは図書館に本を返しに行くついでに、亀がたくさん居る池を観察してきました。もう痛みでふらふらになりつつ、それでも亀を見ていると心が和みます。少し小柄で、いつもアクティブに他の亀に向かっていき挨拶をする亀が居て、ぼくらはそれを挨拶亀と呼んでいるのですが、きょうはその亀が他の亀の顔をぺちぺちぺちぺちと挟んでいて(強く叩くわけではありません)、その謎行動に思わず笑ってしまいました。帰ってから調べてみたらどうやら求愛行動らしい。もう春ですね。
夜、鏡の前に立って口の中をマグライトで照らしたら、親知らずを抜いたところがぽっかりと穴になっていて恐ろしい気もしますが、でも、なんだかんだでなかなか良い一日だったように思います。やるべきことが山積み過ぎて何が何だか分からない、ほんの少し先の未来さえ予測できない状況が続きますが、またこんな感じの日が来ると、いいなあ。