Yes, I can fly!

ここ数年トレッキングシューズをずっと履いていて、もちろんお風呂に入ったり布団に潜ったりするときはちゃんと脱ぐんだけれど、とにかくトレッキングシューズが大好きだ。いちばん上までしっかり紐を結んだときの安定感がいい。それになにより、極度に用心深いぼくにとって、万一災害が起きたときのことを考えると、どのような状況下でも移動しやすい靴は絶対的に必要で、あとブドウ糖と懐中電灯とペットボトルと医薬品も必需品。これさえあればまあ数日はどうにかなるだろうと思っている。本当はロープとかバールとかも持ち歩きたいのだけれど、ただでさえ身分が怪しいので、職質にでもあったらどえらいことです。

で、そのトレッキングシューズなんだけれど、先日雨の中をカメラを抱えて散歩していたらすっかり濡れてしまった。ついでにカメラも濡れてしまって、ファインダーの中に水滴が! ああ水滴が、水滴が! と風流にも川柳を詠んでしまうほど動揺した。それはともかくトレッキングシューズで、ぐっちょんぐっちょんの汚れ放題になってしまったので洗うことにしました。

けれどもこれ、ゴアテックスのそれなりのやつなのですが、どうもこれは丸洗いしてはいけないらしい。しかし水洗いするのだ。いやしないのだけれど、例えばあれです、たまたま水道水みたいな水が流れている川に落ちてしまって、しかもたまたまそこに洗剤の箱が沈んでいてそれを踏み抜いてしまう、などということは、まあ山に登っていればしばしばあることです。あるのです!

というわけで、そんな感じのシチュエーションにいま俺は置かれているのだ! と強烈な自己暗示をかけつつ、何しろ自己暗示にかけては天才的ですから、洗っているんじゃないよ、川の水は冷たいなあ、などと思いつつ丸洗いしました。そうして天日に干すのは駄目、とかいううろ覚えの知識に従い、玄関の内側に放置。それが確か三日前くらいで、どうもいまだに乾きません。えへへ。キノコさんこんにちは! 悲しみよこんにちは! コンニチハコンニチハ!

とかわいい子のふりをしつつ、履いていく靴がない。仕方がないので、埃を被っていたウォーキングシューズを出してきて、埃を払い、ここ数日はそれで歩き回っているのです。すると何しろ、これが軽い! 数年間トレッキングシューズで歩き回っていた感覚のままだと、歩くつもりが走り出し、走るつもりが空を飛ぶ勢いです。大統領にならって”Yes, I can fly!”です。そんな大統領は嫌だ。

そう言えば、昔まだがんばって「社会性」とやらを堅持しようとしていたころ、ぼくもちゃんと床屋さんに行って髪を切ってもらっていたのです。そうして、髪を切ったあとの頭の軽さたるや! 自分の脳みそがいかに軽く、頭と思っていたものの大半が髪でしかなかったことに気づくときの絶望感がぼくは好きでした。そんな感じで、いま足が軽いです。

GWですか? ぼくは何も予定がありません。庭のカエルくんを撮るくらいですね。あと帽子を買ったんですけど、相棒に「変質者みたいだからやめた方がいいよ」と言われました。

そんな感じです。ぼくは元気です。Yes, I can fly!

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